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ツキから見放された男が帰ってきた!
伊坂幸太郎さんの『777トリプルセブン』(以降、『777』と表記)は、とあるホテルで繰り広げられる、複数の殺し屋たちが活躍する群像劇です。
殺し屋シリーズ史上最高傑作のクライムサスペンス
最後まで全力で駆け抜けるストーリーに、ページをめくる手が止まらない!
そんな『777トリプルセブン』のおすすめポイントを、実際に読んだ感想とともに紹介していきます。
それじゃあ、早速いってみよー!
| 面白さ | |
| ストーリー | |
| 登場人物 | |
| 読書初心者おすすめ度 |
『777トリプルセブン』の基本情報
| タイトル | 777トリプルセブン |
| 著者 | 伊坂幸太郎 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 発行年 | 2023年 |
| ジャンル | クライムサスペンス |
※本作は殺し屋シリーズ第4弾ですが、ストーリーはそれぞれ独立しているため、他作品を読んでいなくても十分に楽しめます。
2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。
以降、様々な文学賞を受賞する、超売れっ子作家。
代表作に『重力ピエロ』 『砂漠』 『ゴールデンスランバー』
などがある。
『777トリプルセブン』のあらすじ
ツキに見放された殺し屋・『天道虫』こと七尾は、ウィントンパレスホテルにいた。
ある男にプレゼントを届けるという、とても簡単な仕事のためだ。
ただ、その男が死んでしまうのは予想外だった。
それを皮切りに、七尾の身にトラブルが相次ぐ。
一方、超人的な記憶力を持つ女性・紙野は、ウィントンパレスホテルに身を隠していた。
逃がし屋・ココの手を借りて、乾という男から逃げるためだ。
ウィントンパレスホテルに紙野が潜伏していることを掴んだ乾は、6人組の殺し屋を送り込む。
時を同じくして、情報局の長官・蓬実篤はウィントンパレスホテル内のレストランで食事をしていた。
目の前にはニュースネットの記者・池尾が座っている。
さらには。
マクラ・モウフの殺し屋コンビや、高良・奏田コンビなど、多くの殺し屋が同じホテルに潜伏していることは、まだ誰も知らない。
様々な思惑と暴力が混在するウィントンパレスホテルで、はたして七尾は生き残ることができるのか──。
『777』のおすすめポイント3選(ストーリー・登場人物・伊坂節)

『777』は、複数の殺し屋がウィントンパレスホテル内で大暴れする一冊。
相次ぐトラブルに巻き込まれていく七尾。
逃げる紙野と、追う乾。
サディストだらけの6人組。
食事中の蓬実篤。
それぞれの思惑がひとつの線で繋がっていく物語は、読者を魅了してやみません!
そんな『777』のおすすめポイントを、【登場人物・ストーリー・伊坂節】にわけて紹介していきます!
【登場人物】個性の塊たち!読者を魅了するキャラクターたち

『777』には、個性豊かなキャラクターたちが多数登場します。
しかも、登場人物のほとんどが殺し屋という物騒っぷり。
これだけは言えます。
キャラクターが魅力的な小説は絶対面白い!
そんな、魅力たっぷりなキャラクターたちを紹介します。
【天道虫】ツキから見放された殺し屋・七尾
『777』の主人公で、とにかく運が悪い殺し屋。
数年前、新幹線内で繰り広げられた、複数の殺し屋たちによる大事件。通称『E2事件』の生き残りとして、裏社会では有名人。
本作では、仲介屋の真莉亜から簡単な仕事を受けてウィントンパレスホテルにいる。
ツキがない七尾にとって、簡単な仕事は、簡単には終わらない。
【記憶力】驚異的な記憶力のせいで人生を踏み外した女性・紙野結花
一度経験したことは絶対に忘れないという、驚異的な記憶力を保有している女性。
その記憶力のせいで人生が上手くいかず、気づけば裏社会に身を置くことに。
本作では、裏社会に入るきっかけになった乾から逃げるため、逃がし屋のココと一緒にウィントンパレスホテルに滞在しています。
【サディスト】紙野結花を追う6人組の殺し屋
エド・アスカ・ナラ・ヘイアン・カマクラ・センゴクの6人で行動している殺し屋グループ。
リーダーのエドを中心に、メンバーの全員がサディストという物騒な集団。
吹き矢を武器に使用していて、矢の先には相手をマヒさせる毒や即死させる毒が塗られている。
本作では、乾からの依頼で紙野結花を追ってウィントンパレスホテルを目指している。
【悪人】他人を駒のように扱う非道・乾
裏社会で仕事の仲介屋をしている男。
決して自分の手を汚さず、人を駒のように扱う。
警察関係や政治家からの仕事も請け負い、非情で極悪な一面を持つ。
人を麻酔で眠らせてから解体するという趣味があると噂されている。
本作では、多くの秘密を記憶したまま自分の元を去った紙野結花を捕らえるため、裏で手を回している。
【長官】情報局の長官・蓬実篤
15年前、電車内で刃物を振り回している男を取り押さえた過去を持つ男。
元政治家で、首尾一貫した方針で国民からの信頼が厚い人物。
3年前に妻子を交通事故で亡くしている。
本作では、ウィントンパレスホテル内のレストランで、ニュースネットの記者・池尾と食事をしている。
【その他】脇役とは言わせない!個性豊かな殺し屋たち
マクラ・モウフは、シーツを武器に殺害を実行する2人組。
乾の下で仕事をしていたが、彼の不気味な噂を聞いてからは独立して活動している。
高良・奏田は、爆発物を使用して殺害を実行する炭酸飲料みたいな名前をした2人組。
以前は海外で爆発物処理の仕事をしていて、その事業を売却したおかげでお金持ち。
紹介したキャラクター以外にも、本当に魅力的なキャラクターばかり登場します!

本当に殺し屋ばかりだボン!

本当に殺し屋ばかりなんです!
私の推しは七尾と、高良・奏田の2人組です!
【ストーリー】読者を飽きさせない仕掛け満載!大満足のストーリー

『777』は、様々な登場人物の視点からストーリーを描いていく群像劇となっています。
目まぐるしく変わる視点と、勢いよく進んでいくストーリー。
そして最後にはひとつに繋がっていく伏線回収劇。
どこをとっても最高の物語となっています!
物語の舞台はウィントンパレスホテル。
『死にたくても死ねないホテル』と噂されるホテルで、複数の殺し屋が集結!
メインストーリーは、ウィントンパレスホテルに身を隠している紙野結花を捕らえるため、乾が6人組の殺し屋を送り込む。
そこにたまたま居合わせた『天道虫』こと七尾。
簡単な仕事の最中に、彼の代名詞である不運が連発して、紙野結花の逃走劇にどんどん巻き込まれていくというもの。
『逃げる!捕まえる!』という、ある意味で単純なストーリーなのに、単純に終わらないのがポイント!
登場人物の数だけの思惑が絡み合って、事態はどんどん複雑化していきます。
七尾は、危険が迫っている真莉亜のためにホテルを出ようとします。
しかし出られない!
『エレベーターで1階まで行き、フロントから出ていく』
たったそれだけの行動すら簡単にできないほど、七尾にはトラブルが相次ぎます。
物語後半での伏線回収劇は、ただただ気持ちいいの一言。
この結末を予想できる人なんて絶対いません!

『死にたくても死ねないホテル』って皮肉が凄いボン!

そこが『777』のキモですね!
これほど殺し屋がいて、人が死なないことはありえませんからね。
【伊坂節】物騒なストーリーをマイルドに!クセのある言い回し

『777』はとにかく物騒なストーリーです。
殺し屋だらけのホテル。
死体の山。
裏切り。
どこをとっても物騒です。
なのにマイルドな読み心地を実現!
その理由は、伊坂幸太郎さん特有の、独特でクセのある言い回し。
通称『伊坂節』のおかげなのです。
この『伊坂節』こそが、本作イチのおすすめポイントで、伊坂幸太郎作品の魅力そのものです。
たとえば、仕事中の七尾と真莉亜との電話。
「手が離せないの。言ってなかったけれど、運転中なんだよね。ハンズフリー通話。高速走ってるから。写真はチェックできない」
「君は旅行中か」こっちは仕事中なのに。
「人聞きの悪いこと言わないで。旅行から帰ってるところなんだから。仕事をしっかりやる人間には、息抜きが必要なんだよ」
真莉亜の返しが秀逸!
七尾と真莉亜の会話は、本当にウィットに富んでいて面白いんです。
次は逃がし屋・ココと七尾の会話。
「わたしはほら、ご存じの通り、泳いでいるところだったでしょ、三途の川を」
「三途の川って泳いで渡るのか」
ココが左右の腕をそれらしく動かした。しかもクロールか、と七尾は言わずにはいられない。
しかもクロールか、という一文が、何気ない会話を面白くしてくれています。
『伊坂節』はストーリーを面白くしてくれるだけではなく、読者の胸を打つ名言が多いこともポイント!
本作では、高良のセリフが登場人物たちの行動に影響を与えます。
「梅の木が、隣のリンゴの木を気にしてどうするんだよ」
──「梅は梅になればいい。リンゴはリンゴになればいい。バラの花と比べてどうする」
シンプルだけれど、読者も考えさせられるセリフです!
ストーリーをマイルドにするだけではなく、読者の胸にしっかりと響かせる『伊坂節』
一読の価値ありです!

クライムサスペンスというよりエンターテインメント小説って感じがしたボン!

まさにです!
実際は超本格的なクライムサスペンスなんですけれどね。
『伊坂節』恐るべしです!
さいごに
まずは、ここまで読んでいただきありがとうございます。
少しでも『777』を読んでみたいと思っていただけたら幸いです。
本作は、伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズの第4弾になります。

他の殺し屋シリーズの紹介記事も書いていますので、よろしかったらご活用ください!
伊坂幸太郎『グラスホッパー』感想レビュー│ネタバレなしで見どころ解説
伊坂幸太郎『マリアビートル』レビュー│疾走感Maxな密室クライムサスペンス
伊坂幸太郎『AX』感想レビュー│ネタバレなしで恐妻家な殺し屋の魅力を徹底解説
本作で主人公を務めた七尾は、『マリアビートル』でも大活躍しています。
七尾のツキのなさが今回も暴走気味に発動して、とにかく読者を楽しませてくれます。
その他の殺し屋たちも個性的で、読めば必ず推しキャラができます。
ストーリーの面白さはもちろん、ページをめくるたびに期待を裏切らない展開が待っています!
ウィントンパレスホテルを舞台に繰り広げられる、殺し屋たちの協奏曲
伊坂幸太郎さん『777トリプルセブン』
一度、手に取ってみてはいかがでしょうか。
最後の最後に。
『777トリプルセブン』が面白いと思った方は、他の伊坂幸太郎作品も紹介していますので、よろしかったらご訪問ください。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。



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