ウバといいます。
「読書は心の栄養素」と信じ、日々読書を嗜んでいる少しヤバめの人です。
突然ですが、皆様の日々に読書は足りていますか?
もし足りていないのでしたら、少しだけ摂取していきませんか?
『ウバログ』では、普段あまり読書をしない人に、読書の面白さを伝えたくて本を紹介する記事を書いています。
私の紹介した本が、皆様の読書ライフに繋がればいいなと願い、拙いながらも丁寧に紹介していきます。
今回紹介する一冊はこちら!
伊坂幸太郎さん『マリアビートル』
長編でありながら、読者に飽きる隙を与えない圧倒的な速度と緊張感で突き進むストーリー。
それを圧倒的な存在感で支える登場人物たち。
読めばきっと、あなたは読書を好きになる!
それでは早速、紹介していきます。
あらすじ
舞台は、東京から盛岡へ向かう東北新幹線「はやて」。
息子を傷つけた中学生への復讐に燃える元殺し屋、木村。
一見優等生だが、悪魔のような本性を隠す少年、王子。
裏社会の依頼を受けて動く殺し屋コンビ、檸檬と蜜柑。
そして、とにかく運が悪くて気弱な殺し屋、七尾。
同じ新幹線に乗り合わせた彼らの思惑は、次第に絡み合っていく。
疾走する新幹線の車内で、狙うものと狙われるもの。
やがて物語は、予想もつかない結末へと突き進んでいく──。
『マリアビートル』の魅力
本作を読み進めているうちに、興奮している私がいました。
こいつはとにかく面白い!
勢いよく突き進む物語に引き込まれ、どんどん没入していきました。
登場人物もクセがあって、否応なしに私を魅了してきました。
「これ読んで読書好きにならない人いる?」
そう思ったからこそ、紹介記事を書いています。
そんな本作の魅力を、いくつかに分けて紹介していきます。
※本作は、殺人などバイオレンスな描写が多くあります。苦手な方はおそらく読むのは辛いと思いますので、別の小説をおすすめします。
個性豊かな登場人物
「本作の主人公は、誰ですか?」
そう言いたくなるほどに、個性豊かすぎるキャラクターが多数登場します。
好きになれるキャラクターばかりではないのですが、そのほとんどのキャラクターを好きになるはずです。
たとえば。
きかんしゃトーマスが好きな殺し屋。
この設定だけで興味が沸きませんか?
とにかくツキがなく、運に見放された殺し屋。
それで殺し屋やっていけるの?
押し屋。
なんやねん、それ。
──こんな感じです。
さて、誰が主人公なのでしょうか。気になりますね。
その他の登場人物も、個性の塊のようなキャラクターたちばかりです。
そんな濃すぎる登場人物たちが、本作の魅力のひとつです。

「この殺し屋はトーマス好きの設定でいく!」となる作者の脳内が気になる……。
物語の疾走感がすごい
多くの殺し屋が登場する本作。それ以外にもクセのあるキャラクターだらけ。
なのに舞台はほぼ新幹線の中だけなのがすごい!
物語のほとんどが、新幹線の車内だけで進行していきます。
この「逃げ場のない空間」が、物語に緊張感を生みます。
そんな空間に、個性豊かな殺し屋を放り込む。そりゃあ、化学反応が起きないわけがありません。
それぞれの思惑が交差して、物語は混沌を極めていきます。
街ひとつを舞台にしても足りないくらいの出来事を、新幹線の車内という限られた空間にギュッと詰め込む。
その制限が、物語に圧倒的な疾走感を与えています。
緊張感×疾走感=快感
そりゃあ、読書が面白くなるってものです。

どんどん物語に引き込まれます!
気持ちよい伏線回収
伊坂幸太郎さんの真骨頂と言っても、いいのではないでしょうか。
伏線回収の気持ちよさ、正直たまりません!
何気ない会話ひとつ、小さな行動ひとつ、そのすべてがしっかり繋がっている。
読み返したくなるほどの仕掛けが、随所に散りばめられているんです。
登場人物の個性も目的もバラバラ。なのに、すべてが不思議と絡み合って一本の線になる。
これは「さすが」としか言えません。
気づいた瞬間の『ああ!そういうことか!』という快感が、この作品の醍醐味です。
さいごに
本作を読み終わった時、正直少し疲れます。
内容が濃いですし、なにより長いです……。
しかし!
読後感は爽快で、なにより「読書してやった感」を盛大に感じることができました。
内容は濃いですが、ある意味シンプルなストーリーでどんどん読み進めることができて、長編小説デビューに最適です!
伊坂幸太郎さん『マリアビートル』
一度、手に取られてはいかがでしょうか。
基本情報
タイトル:マリアビートル
著者:伊坂幸太郎
出版社:角川書店/文庫版:KADOKAWA
発行年:2010年/文庫版:2013年
ジャンル:ミステリー・サスペンス(エンタメ要素強め)
ちなみに。
本作以外にも、伊坂幸太郎さんの作品を紹介する記事を書いています。
よろしければお越しいただければ幸いです。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。




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