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伊坂幸太郎さんの『オーデュボンの祈り』は、喋る案山子が登場する摩訶不思議な物語。
デビュー作にして最大の問題作である本作は、読み進めるほどに不思議な世界観に魅了されていきます!
「普段あまり読書をしない人」
「独特な世界観を味わいたい人」
そんな方たちにおすすめの一冊です!
本作の魅力を、私なりに丁寧に紹介していきます。
(実際に読んだ感想を交えて紹介します)
それじゃあ、早速いってみよー!
基本情報
タイトル:オーデュボンの祈り
著者:伊坂幸太郎
出版社:新潮文庫
発行年:2000年/文庫版:2003年
ジャンル:ミステリー・ファンタジー
あらすじ
コンビニ強盗に失敗した伊藤は、気がつくと見知らぬ島にいた。
江戸以来、外界から遮断された島『荻島』
この島には妙な人間ばかりが住んでいた。
見た目が熊そっくりな男。嘘しか言わない画家。拳銃を所持した、島で唯一殺人を許された男。
そして、未来予知ができる喋る案山子。
次の日、案山子が何者かに殺される。無残にバラバラにされ、頭部を持ち去られて。
犯人は誰なのか。案山子はなぜ殺されたのか。
奇妙な島で巻き起こる不思議な事件。
事件の謎を追いながら、伊藤はこの島の掟と人間の本性に触れていく。
最後にたどり着く、切なくも不思議な「祈り」とは──。
『オーデュボンの祈り』の魅力(感想込み・ネタバレなし)
本作を読み終わった時、といいますか読み進めながら、私は少し混乱していました。
「この物語は何なのだ?私はいったい何を読まされたのだ?」と、不思議な気持ちになったのです。

そんな小説を人に紹介するボン?

その摩訶不思議さがクセになって面白いんです!
不思議な世界の物語が、独特の言い回しで描かれていて、読み終わってからも頭から離れません。
気がつけば、伊坂幸太郎さんの書かれる他の作品を求めてしまっていました!
『オーデュボンの祈り』を読んでしまったら、伊坂幸太郎さんに夢中になってしまうことでしょう。
そんな本作の魅力を、いくつかに分けて紹介していきます!
『オーデュボンの祈り』の魅力① 読めば読むほどクセになる!独特で摩訶不思議な世界観
胸の谷間にライターをはさんだバニーガールを追いかけているうちに、見知らぬ国へたどり着く、そんな夢を見ていた。
こんな書き出しで始まる本作。
そのままのストーリーだから驚きです。
コンビニ強盗に失敗して警察から逃げていた主人公の伊藤が、舞台である『荻島』にたどり着くところから本作は始まります。
どうやってたどり着いたのかもわからない、この荻島が不思議すぎる世界で面白い。
江戸時代から外界との交流を断ってきた、いわば「鎖国状態」の島なのです。
独自のルールが存在していて、島に流れる雰囲気は、まるで『不思議の国のアリス』のような世界です。
不思議の国のアリスで追いかけるのは、時計を持ったウサギですけれどね。私はライターをはさんだバニーガールの方が好きですが……。
しかもです。
その後は怒涛の勢いで、クセの強すぎるキャラクターたちがどんどん登場します。
気を抜いていると置いていかれるので、注意が必要です。
主人公に並んで、読者も頭の整理がつかない内に、物語が動き出します。
この、あまりにも独特な世界観がクセになって、必ず読書が好きになれる作品になっています。
荻島には、「ここには大事なものが、はじめから、消えている。だから誰もがからっぽだ」という、昔から島に伝わっていることばがあります。
消えているものがなんなのか。それは物語の最終盤に明らかになるのですが、ぜひ読んで確かめてください。
その消えているものは、私の日常には普通に存在しています。
これが消えているという事実もまた、舞台である荻島の独特な世界観を作ってくれています。
読者を惹きつけてやまない、独特で摩訶不思議な世界観が、『オーデュボンの祈り』の魅力の一つです!

鎖国状態の島が舞台……気になるボン!

異世界ではなく、あくまで現実世界と地続きというところも面白いんです!
『オーデュボンの祈り』の魅力② 個性豊かどころの騒ぎではない!曲者だらけの登場人物
不思議な物語には、不思議なキャラクターが似合う。
上で触れたように、本作にはクセが強すぎるキャラクターが多数登場します。
多数といいますか、クセのないキャラクターが一人もいません。
主人公の伊藤は、コンビニ強盗に失敗して、逃亡犯になります。
強盗を企てたのは本当にしょうもない理由からで、しかも失敗するという、少し頼りないキャラクターです。
この伊藤が島の住人と触れ合ううちに、どう変わっていくのか。本作の見どころの一つです。
強盗犯とはいえ、本作の中では相当にまともなキャラクターとして描かれています。
喋る案山子も登場します。
登場人物の紹介ですが、ついでに案山子も紹介します。
畑に立っている人型のアレです。
案山子のくせに本作の最重要キャラクターの優午(ゆうご)。
喋れるというだけで異常なのですが、優午は未来まで見えてしまいます。
案山子で喋れて未来が見えて。島の住人の心の拠り所でもあります。
とてもハイスペックなキャラクターですが、あくまで案山子ですので動くことは出来ません。
舞台である荻島の法律と言われているのが桜。
島で唯一、殺人が許された男です。
拳銃を所持していて、彼が撃てば、撃たれた奴が悪い。そういうことになっています。
普段は詩集を読む静かな男で、ミステリアスな魅力のあるキャラクターです。
彼ら以外にも、とにかく個性豊かすぎるキャラクターが多数登場します。
嘘しか言わない画家。地面に横たわって心臓の音を聞いている少女。体重が三百キロくらいある女性など、個性がないキャラクターがいません!
そして、重要なことが一つ。
『オーデュボンの祈り』に登場するキャラクターの中には、他の伊坂幸太郎作品にも登場するキャラクターが多数います。
作品の枠を超えて、キャラクターと再会することは、少し感動的でもあります。
この先、伊坂幸太郎作品を読む機会があれば、再会することがあるかもしれません。
それもまた、読書の面白さです!
特殊な舞台に負けないくらい、特殊な個性で描かれる登場人物たちが、『オーデュボンの祈り』の魅力の一つです!

どのキャラクターも気になるボン!

本当に個性的なキャラクターばかりです!
本作のキャラクターが登場する他作品が気になる方は、よろしかったらご活用ください!
伊坂幸太郎作品レビュー一覧
『オーデュボンの祈り』の魅力③ デビュー作でこの完成度!気持ちの良すぎる伏線回収
『オーデュボンの祈り』は、とにかく伏線回収が気持ちいいんです。
誰が、いつ、どうやって、なぜ、優午を殺害したのか。
昔からの言い伝えにある「島に欠けているもの」はなんなのか。
個性豊かなキャラクターたちの不自然な行動の意味。
それらすべてが繋がった時の爽快感は、とんでもないことになっています!
キャラクターたちの言動に、何一つ無駄なものがなく、すべてが伏線なんです。
読みながら、頭に浮かんだ「?」を、すべて丁寧に回収してくれます。
それでいて、読み心地はとても軽やか。
登場人物も温かみのあるキャラクターばかりで(一部例外アリ)、読み終わりは優しい気持ちになれます。
デビュー作でこの完成度。
脱帽です!

どんどん読みたくなってきたボン!

本当に面白い小説です。
ぜひ伏線回収の爽快感を味わってください!
さいごに
まずは、ここまで読んでいただきありがとうございます。
少しでも『オーデュボンの祈り』の魅力が伝わったのなら幸いです。
私が本作を読んで一番最初に思ったことは、「伊坂幸太郎さんの頭の中を覗いてみたい」でした。
そう思うほどに不思議な物語でした。
理解できないまま走り出すストーリーに、最初は戸惑いましたが、読めば読むほど魅了されている私がいましたね。
伏線回収も気持ちがよくて、地面に横たわっている意味や、画家が嘘しかつかない理由が分かった時は、優しい気持ちになりました。
独特で摩訶不思議な世界観で描かれる、デビュー作にして最大の問題作
伊坂幸太郎さん『オーデュボンの祈り』
一度、手に取られてはいかがでしょうか。
ちなみに。
『オーデュボンの祈り』が面白いと思った方は、他作品も紹介していますので、よろしかったらお訪ねください。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。




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