伊坂幸太郎『マイクロスパイ・アンサンブル』感想レビュー│読書初心者におすすめ
伊坂幸太郎さん『マイクロスパイ・アンサンブル』は、優しさと驚きに満ちた「現代版おとぎ話」です。
読み進めていく内に、読者はきっと優しい気持ちになれる連作短編集です!
「普段あまり読書をしない人」
「読みやすい小説を探している人」
そんな方たちにおすすめの一冊です。
本作の魅力を、私なりに丁寧に紹介していきます。
(実際に読んだ感想を交えて紹介します)
それじゃあ、早速いってみよー!
基本情報
タイトル:マイクロスパイ・アンサンブル
著者:伊坂幸太郎
出版社:幻冬舎
発行年:2022年/2025年
ジャンル:ファンタジー/エンターテインメント/現代版おとぎ話
あらすじ
彼女に振られた男、エージェント、居場所をなくしたいじめられっ子、謝ってばかりの上司。
知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられていたり。
気づかないうちに奇跡は起きる。
優しさと驚きに満ちた「現代版おとぎ話」が、今はじまる──。
『マイクロスパイ・アンサンブル』の魅力(感想込み・ネタバレなし)
『マイクロスパイ・アンサンブル』の魅力は、とにかく読みやすいところです。
大どんでん返しみたいなことは起きませんし、グロテスクな場面もありません。
とにかく優しい物語なんです!
知らないうちに誰かのことを助けている。
そして助けられている。
そんな奇跡を描いた一冊です。
小さな奇跡の連続に、読者の心は優しさで溢れていく。
そんな本作の魅力を、いくつかに分けて紹介していきます!
『マイクロスパイ・アンサンブル』の魅力① 現実とファンタジーの融合!まるでおとぎ話のような世界観
『マイクロスパイ・アンサンブル』は、二つの世界線で物語が進行していきます。
一つは人間の世界。
もう一つは小人の世界。
二つの世界は同じ場所に存在しているが、互いの存在は認識できない。
そんな独特な設定が、物語を面白くしてくれています。
失恋したての男の足元で、小人のエージェントがピンチに陥っている。
そんな時に男が取った何気ない行動が、小さいエージェントを救ったりします。
エージェントにはなにが起こったのか理解できない。もちろん失恋中の男も、助けたくて行動したわけではない。
そんな奇跡の連続が、読んでいて心地いいんですよね。
二つの世界とも、福島県の猪苗代湖を中心に物語が進んでいくところもポイント!
人間の世界でも小人の世界でも、物語が動くのはいつだって猪苗代湖なのです。
そして、これにはちゃんとした理由があるのです!
この物語は猪苗代湖で開催されている「オハラ☆ブレイク」という野外フェスで、2015年から2022年にかけて毎年書き下ろし、会場で限定配布された連作短編が書籍化されたものなのです。
そのため、物語の中心はいつも猪苗代湖というわけです。
つまりですよ!
この物語は、人間の世界と小人の世界。そして、現実世界と三つの世界で同時に物語が進んで行くのです!
なんともボリューミー……。
「現代版おとぎ話」と言われるのも納得です。
人間の世界での出来事が小人の世界で奇跡を起こし、小人の世界での出来事が人間の世界で奇跡を起こす。
その小さな奇跡がどんどん繋がって、大きな奇跡へと繋がっていく。そして現実世界の「オハラ☆ブレイク」と猪苗代湖。
三つの世界が繋がっている独特の世界観こそ、『マイクロスパイ・アンサンブル』の魅力の一つです!

著者の伊坂幸太郎さんが好きなアーティストの歌詞が引用されていたりもします。
その引用が物語に深みを出していて、本当に三つの世界が繋がっていると感じることができます!
(※引用部分は濃い文字で書かれているのでわかりやすいです)
『マイクロスパイ・アンサンブル』の魅力② どれだけ奇跡を繋げるのかっ!優しく柔らかいストーリー
上でも少し触れましたが、『マイクロスパイ・アンサンブル』は人間の世界と小人の世界があります。
お互いの存在は認識出来ませんが、行動が影響を与えることはあります。
たとえば物語の冒頭で失恋した男が、たまたま拾ったグライダーのおもちゃを猪苗代湖めがけて投げるシーンがあります。
男は何も考えずに投げるのですが、その行動が小人の世界でピンチに陥っていたエージェントを助けます。
そんな小さな奇跡が連続で起きます。
大どんでん返しみたいなことではなく、本当に小さな奇跡の連続なんですよね。スマートフォンを落としたことが奇跡に繋がったりします。
さらに。とある条件が揃うと、人間の世界と小人の世界を繋げる扉が出現したりします。
二つの世界が繋がることで、物語がさらに広がっていくのが面白いんです。
そして誰も不幸にならない。とにかく最初から最後まで優しくてあたたかいんです。嫌な気持ちにならずに読み進めることができます。
物語全体を通してストーリーがシンプルなところもおすすめポイント!いい意味でまったく複雑ではなく、本当に読みやすいんです。
シンプルだからこそ読みやすい。
シンプルなのに満足できるストーリー。
最高ですね!
小さな奇跡の連続で、最初から最後まで優しくてあたたかい。登場人物のすべてが不幸にならない。
シンプルで読みやすいのに、しっかりと濃厚なストーリーこそ、『マイクロスパイ・アンサンブル』の魅力の一つです!

本当に読みやすくて優しい気持ちになれるストーリーです。
普段あまり読書をしない人に自信をもっておすすめできる一冊です!
さいごに
まずは、ここまで読んでいただきありがとうございます。
少しでも『マイクロスパイ・アンサンブル』の魅力が伝わったのなら幸いです。
実際に読んだ感想は、とても読みやすくて本当に面白い一冊だと思いました。
本作は、小さな奇跡の連続を描いた作品だと思っています。ページをめくるごとにどんどん優しい気持ちになれました!
登場人物の皆が幸せになっていく様は、読者の方まで幸せな気持ちにさせてくれます。
自分の何気ない行動が、何処かの誰かを幸せにしているのかもしれない。人ってのは、生きているだけで誰かを幸せにできる力があるんですね。
「遠くにいる素敵なあの人が、今でも笑顔でいてくれたら嬉しいな」
そんな気持ちになれる一冊です。
小さな奇跡が紡ぎ出す、優しさと驚きに満ちた「現代版おとぎ話」
伊坂幸太郎さん『マイクロスパイ・アンサンブル』
一度、手に取られてはいかがでしょうか。
ちなみに。
『マイクロスパイ・アンサンブル』が面白いと思った方は、他にも伊坂幸太郎さん作品の紹介記事を書いていますので、ぜひお訪ねください。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。



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