ウバといいます。
突然ですが、皆様は愛車の声が聞こえますか?
私はもちろん、聞こえません……。
しかし!
人間が聞こえないだけで、じつはおしゃべりしているかもしれません。
今回は、そんな一冊をご紹介。
『ウバログ』では、普段あまり読書をしない人に読書の面白さを伝えたくて、本を紹介する記事を書いています。
この記事が、皆様の読書ライフに繋がればいいなと願い、拙いながらも丁寧に紹介していきます。
今回の一冊は、こちら!
伊坂幸太郎さん『ガソリン生活』
じつのところ、車たちは日々おしゃべりをしていた!
望月家の愛車「緑デミオ」を語り手に、様々な驚きが絡み合う一級ミステリー。
伊坂幸太郎史上、最幸傑作!
それでは早速、紹介していきます。
あらすじ
望月家の長男・良夫の運転する車に、「逃げているの。助けてくれないかな」と女性が飛び乗ってきた。
なんとその女性は、十年前に一般人と結婚して女優を引退した、荒木翠だった。
彼女を目的地まで送り届けて数時間後に、彼女が交通事故で急死したことを知る。
この出来事をきっかけに、望月家は様々な謎や事件に巻き込まれていく……。
物語の先にある衝撃の真実と、そこに描かれるたしかな家族愛。
車が語り手を務める独特な世界観で描かれる、望月家と愛車デミオの冒険譚が今はじまる──。
『ガソリン生活』の魅力
本作を読み終わった時、とにかく面白い物語だと思いました。
車がおしゃべりをするという独特な世界観。
それでいて、ストーリーはしっかりミステリーしていて読み応えもある。
じんわり優しい家族愛に、穏やかな気持ちになれるラスト。
なにより、可愛すぎる『緑デミ』
この物語は、普段あまり読書をしない人でもしっかり楽しめる作品だと思います。
そんな本作の魅力を、ふたつに絞って紹介していきます。
あなたはきっと、『ガソリン生活』を読みたくなる!
可愛すぎる「緑デミ」
秀逸すぎるストーリーよりなにより。まずは「緑デミ」の可愛さを伝えたい!
主役である望月家の愛車、緑のデミオ。
通称:緑デミ(ミドデミ)
これがまあ、なんとも可愛い!
本作はこの緑デミが語り手を務めます。
登場する車たちは、それぞれ意志を持ちガッツリしゃべります。
しかも設定がいちいち面白く、しゃべれる範囲は排出ガスが届く範囲だったり、二輪車とは意志疎通ができなかったりします。
鉄道に憧れているという点も可愛く、とにかく読者を魅了していきます。
それでいて、自分勝手には動けなかったり、その言葉が人間には届かなかったりと、現実的なところはしっかり現実的なのもすばらしい。
それが物語をいっそう面白くしてくれるのです。
緑デミは気づいているのに、それを人間に伝える手段がない!
緑デミが求める行動とは逆の行動を主人公が取ったり、しかし緑デミは運転されるがままに動くしかなかったり。
そんな描写が多く、読んでいてもどかしい気持ちになります。
そのもどかしさすら、緑デミを愛おしくさせるのだから、まったく罪なやつです。
そんな緑デミの可愛さが、本作一の魅力で間違いないです。

とにかく緑デミが可愛くて、その可愛さに触れるためだけでも読む価値ありです!
王道ミステリー
緑デミが可愛いだけではなく、ストーリーの秀逸さも魅力的。
本作はしっかりと本格的なミステリー小説で、読み応え十分。
望月家が巻き込まれる様々な事件。散りばめられた伏線と、気持ちのいい回収劇。
人間目線だけでなく車目線でも物語が進み、謎と謎が複雑に絡み合っていきます。
そこに伊坂幸太郎さん独特の言い回しや登場人物のクセも相まって、心地のいい読書体験ができます。
──そしてラスト。
これほどホッコリして良いのだろうか……と思えるほど、温かい終わり方をします。
それは、物語の中心にあるのが「家族愛」だからです。
「ミステリーの皮を被った家族小説」とでもいいましょうか。とにかく読後感が気持ちいいです。
本格的なミステリーでありながら、家族愛を描いたストーリーが本作の魅力です。

長編でありながらスラスラと読んでしまえます。心地のいい読書体験を是非!
さいごに
この記事を書くにあたり、改めて読み返してきました。
それにしても緑デミ。君は可愛すぎやしませんかね。
何度読んでも緑デミの虜になってしまいますね。
私の愛車は黄色の軽自動車なのですが、そいつを大事にしようとも思いました!
上では書ききれなかった魅力もまだまだあります。
望月家の皆だったり、いちいち沼ってしまう言い回しだったり。
書きだしたらキリがないので、それは実際に読んで確かめていただけたらと思います。
車が語り手を務める、愛すべき長編ミステリー。
普段あまり読書をしない人も、絶対に読書を好きになってしまう一冊。
伊坂幸太郎さん『ガソリン生活』
一度、手に取られてはいかがでしょうか。
基本情報
タイトル:ガソリン生活
著者:伊坂幸太郎
出版社:朝日新聞出版/朝日文庫
発行年:2013年/2016年
ジャンル:ミステリー/エンターテインメント
ちなみに。
本作以外にも伊坂幸太郎さん作品の紹介記事を書いています。どれも面白い作品ばかりです。
お訪ねいただけたら幸いです。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。




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