【本紹介】伊坂幸太郎『終末のフール』レビュー|今日を生きる意味を知る物語。

本紹介

伊坂幸太郎『終末のフール』今日を生きる意味を知る物語│読書初心者におすすめ

伊坂幸太郎さんの『終末のフール』は、今日を生きる意味を知ることができる連作短編集です。

八年後に小惑星が衝突し地球が滅亡すると予告されてからの、仙台北部の団地を舞台に描かれるストーリーは、読書初心者にもおすすめです

終わるからこそ、人々は今を見つめ直す──。

少しでも本作の魅力が伝わるように、私なりに丁寧に紹介していきます。

それじゃあ、早速いってみよー

この記事は、とくにこんな人におすすめ
  • 普段あまり読書をしない人
  • 面白い小説を探している人
  • 生きる意味を探している人
この記事でわかること
  • 『終末のフール』のあらすじ
  • 『終末のフール』の2つの魅力(言い回し・ストーリー)
  • 『終末のフール』をおすすめする理由

基本情報

タイトル:終末のフール

著者:伊坂幸太郎

出版社:集英社/集英社文庫

発行年:2006年/2009年

ジャンル:ヒューマンドラマ/連作短編集

あらすじ

八年後に小惑星が地球に衝突することがわかると、世界は混乱し荒れ果てた。

それから五年。人々は平穏な小康状態にあった。

全人類、余命三年。

仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住人たちは、今日を生きていた。

これは、「今日を生きる意味」を知る物語──。

『終末のフール』の魅力(感想込み・ネタバレなし)

『終末のフール』を読んで、私はホッコリしたのでした。

それこそ地球が滅亡すると決まっている設定でありながら、物語の舞台は仙台の団地なんです。

いい意味で小さなスケールで物語が描かれているため、どこか自分事のように感じることができました。

身近に感じるからこそ刺さる部分もあって、とても印象に残る物語でした。

そんな『終末のフール』の魅力を、二つに分けて紹介していきます。

『終末のフール』の魅力① 余命三年の団地が舞台!胸に突き刺さるストーリー

あらすじで書いたように、本作では地球が滅亡することが決まっています。

避けられない事実として地球滅亡が待っている中、描かれるのは団地の人々の今日なんですよね。

のんきにサッカーをしたりしていますし、レンタルビデオ屋も営業しています。

団地の屋上に櫓を建てているおじさんもいますし、恋人探しをする人や出産を控えた人まで。

そこがとてもエモーショナル

登場人物は皆、それぞれ悩みを抱えながらも今日を生きているのです。

余命三年なのに。

それがすごく美しく、感動的なのです

そんなエモーショナルな物語が八編。連作短編集なので、それらすべてがしっかり繋がっているのもいいですね。

小さな伏線がどんどん繋がっていく様は、読んでいて気持ちいいです。

とても読みやすく、それでいてしっかり考えさせられるストーリーになっています。

「なんで今日を生きるのか」

「なんのために生きるのか」

そんなことを考えさせられましたね。答えはまだ出ていませんが……。

地球滅亡寸前という大きな問題と、仙台の団地という小さな世界の美しい日常。

感動させられながらも考えさせられるストーリーが、『終末のフール』の魅力の一つです

ウバ
ウバ

とにかく感動させられました。心がホッコリしちゃいます

『終末のフール』の魅力② 伊坂節が炸裂!独特な言い回しと心に響く名言たち

『終末のフール』には独特な言い回しが多数登場します。その言い回しで展開される会話劇は読んでいて面白いです。

いちいちおしゃれで、とにかく読者の心を掴んできます。読み進めるうちにどんどんクセになってしまいます。

私は表題作である終末のフールの登場人物、静江さんが好きですね。彼女が旦那さんに言う、少し意地悪な言い回しが可愛くて好感が持てました。

そして本作は名言が多い

名言が多すぎて心が満たされていくのを感じることができます。

しかしくどくない。

ただ格好つけただけのセリフではなく、しっかりユーモラスさもあって受け入れるのに抵抗がないんですよね。

いくつか紹介しますね。

「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?
──あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

ただ格好つけただけのセリフではなくて……と言いながら、格好いいだけのセリフの紹介からはじめてすみません

これは八編の内、「鋼鉄のウール」の登場人物である苗場のセリフです。彼は本作で一番格好いい生き方をしているように感じました。

世界が滅ぶとかそんなのは、生き方を変える理由になんかならないんだと気づかされました。

「いいか、俺は理由なんて知らねえけどな、とにかく、自殺なんてしたら、ぶっ殺すからな」

「死に物狂いで生きるのは、権利じゃなくて、義務だ」

いやあ、まいった

これは八編の内、「深海のポール」でのシーンです。これまた格好いいだけのセリフたちなんですが、ずっと心に残っていますね。

他にも多数の名言が登場します。書き出したらキリがないほどです。

特別なシーンではなく、日常の一部に名言が飛び出すので、最後まで油断できません

しっかり楽しみながら、それでいて考えさせられながら読み進めることができます。

そんな、独特な言い回しと考えさせられる名言たちが、『終末のフール』の魅力の一つです

ウバ
ウバ

『おい俺、俺は、こんな俺を許すのか?』ってセリフもあります。逃げ出したいとき、自分に言い聞かせてみてください。

さいごに

まずは、ここまで読んでいただきありがとうございます。

少しでも『終末のフール』の魅力が伝わったのなら幸いです。

本当は登場人物についても書きたかったのですが、どのキャラクターも魅力的過ぎて、膨大な量になりそうだったので省きました。

個性豊かで魅力いっぱいなキャラクターばかりですので、ぜひ読んでみてください。

『終末のフール』は、伊坂幸太郎さんの作品の中でも、とくに穏やかな物語です。地球滅亡寸前なので、穏やかとか言っている場合ではないんですけれどね。

全人類余命三年なのに穏やかと感じるほど、描かれている日常が愛おしいんです。必死に生きているというより、ただ今日を生きている。

ただ、美しいんですよね。

地球滅亡を前に、今を生きることの意味に気づかされる一冊

伊坂幸太郎さん『終末のフール』

一度、手に取られてはいかがでしょうか。

ちなみに。

『終末のフール』が面白いと思った方は、他にも伊坂幸太郎さんの作品記事を書いていますので、よろしかったらお訪ねください。

今日はここまで。

それでは、佐世保の隅っこからウバでした。

皆様の今日が幸せな一日でありますように。

プロフィール
この記事を書いた人
ウバさん

佐世保の隅っこで読書をしているオッサン。
妻と二人の子どもと共に細々と生きています。
読書の面白さを広めたくてブログを開設。
『ウバログ』が読書好きの溜まり場なるように頑張っていきます!

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