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小川洋子さん『猫を抱いて象と泳ぐ』は、儚くて切ない、一人の男性の生涯を描いた一冊。
美しすぎるストーリーに、読めばきっと心を洗われる!
「普段あまり読書をしない人」
「忙しい日々に疲れている人」
そんな方たちにおすすめの一冊です!
本作の魅力を、私なりに丁寧に紹介していきます。
(実際に読んだ感想を交えて紹介します)
それじゃあ、早速いってみよー!
基本情報
タイトル:猫を抱いて象と泳ぐ
著者:小川洋子
出版社:文藝春秋/文春文庫
発行年:2009年/2011年
ジャンル:ヒューマンドラマ
あらすじ
上下の唇がくっついたまま生まれた少年は、ある日チェスと出会う。
チェス盤の下に潜り込んで、次の一手を考えるというスタイルでチェスを指す彼は、いつしかリトル・アリョーヒンと呼ばれるようになる。
インディラ、マスター、ミイラ、トルコ人形。
様々な出会いと別れ。
これは、リトル・アリョーヒンの人生を描いた、はかなくも美しい物語である──。
『猫を抱いて象と泳ぐ』の魅力(感想込み・ネタバレなし)
『猫を抱いて象と泳ぐ』を読み終わった後、しばらくは他の本を読む気になれませんでした。
あまりにも美しすぎる物語の余韻に浸ってしまったからです。
この心地の良い余韻にいつまでも浸っていたい。
そう思わせる一冊です!
ストーリーはもちろん、言葉選びからキャラクターの造形までもが美しい。
─読めば心が洗われる─
そんな本作の魅力を、いくつかに分けて紹介していきます。
『猫を抱いて象と泳ぐ』の魅力① 独特なネーミングと複雑な魅力!個性ある登場人物
主人公のリトル・アリョーヒンは、上下の唇がくっついたまま生まれます。
純真無垢な優しい青年で、とある理由から大きくなることを恐れ、十一歳で成長が止まったような身体をしています。
「大きくなること、それは悲劇である」
この一行を胸に刻み込んでいます。
小説の中の人物ですが、彼以上に心のきれいな人間を私は知りません。
私の人生で、彼と出会えたことは幸運だと思えるほど、美しい主人公です。
※ちなみに。リトル・アリョーヒンは、実在するチェスプレイヤー「アレクサンドル・アリョーヒン」から取られています。
リトル・アリョーヒンにチェスを教えたのは、廃バスに住む肥満男のマスター。
リトル・アリョーヒンの人生を変えた人物で、猫のポーンを飼っています。
リトル・アリョーヒンが来るといつも、美味しいお菓子を作って振る舞ってくれます。
とても優しく、とても穏やかで、リトル・アリョーヒンはどんどんマスターを好きになっていきます。
それと同時に、リトル・アリョーヒンはどんどんチェスの腕を磨いていくのです。
マスターがリトル・アリョーヒンに言う、「慌てるな、坊や」が好きです。
本作には、二人のミイラがいます。
一人は、壁と壁の間に挟まったまま出られなくなった少女。
もう一人は、手品師の娘。肩に鳩を載せています。
ヒロインとなるのは、肩に鳩を載せている方のミイラです。
彼女とリトル・アリョーヒンとの関係が、本作を儚く美しいものにしてくれています。
彼ら以外にも多くの登場人物がいますが、そのほとんどが心優しいキャラクターばかりです。
老婆令嬢や総婦長など、すべての登場人物がリトル・アリョーヒンの人生を彩ります。
独特なネーミングと複雑な魅力を持った、個性的な登場人物こそ、『猫を抱いて象と泳ぐ』の魅力の一つです!

ミイラに老婆令嬢に、独特な名前ばかりだボン!

そうですね。
しかし、読み進めていく内に、そのネーミングが物語の美しさの一つなのだと気づかされました!
『猫を抱いて象と泳ぐ』の魅力② これ以上はない!美しすぎるストーリー
『猫を抱いて象と泳ぐ』最大の魅力は、物語そのものが、とにかく美しいんです!
優しくて美しい言葉で綴られた文章。
儚くて切ないストーリー。
読み終わった時、その美しさにそっと抱きしめられたような気持ちになります。
本作が持つ切なさや儚さすら、ただ愛おしいのです。
リトル・アリョーヒンが、リトル・アリョーヒンと呼ばれるようになるずっと以前の話から、まずは話したいと思う。彼がまだ親の名付けたごく平凡な名前しか持っていなかった頃の話である。
冒頭の一文です。
読み始めてすぐ、読者を惹きつける力のある一文だと思いました。
実際に私は「ああ、コレ絶対に好きになるやつだ」と感じましたし、本当に好きになってしまいました。
親の名付けたごく平凡な名前の少年が、廃バスでマスターと出会い、チェスと出会う。
そこからの物語は、ただただ美しいの一言。
美しい作品は、読者の心を洗う。
私は本作を読んで、そのことを知りました。
読み進めていく内に、タイトルである『猫を抱いて象と泳ぐ』の意味がわかってきた時、じんわりと温かい気持ちになります。
タイトル回収を経て、ラストに待っているのは涙。
しばらく余韻に浸ること間違いなしです!
優しい言葉で綴られた、儚くも切ない、美しすぎるストーリーこそ、『猫を抱いて象と泳ぐ』の魅力の一つです!

ウバさん、さっきから美しいことしか言っていないボン!

アハハ、バレましたか。
それほどまでに、本作は美しいんです。
これほど余韻に浸った作品は初めてでした!
さいごに
まずは、ここまで読んでいただきありがとうございます。
少しでも『猫を抱いて象と泳ぐ』の魅力が伝わったのなら幸いです。
本作を読み終わった時、これは多くの人に読んでもらいたい!と思いました。
こんなにも儚くて切ないストーリーが、この世にはあるのだと伝えたいと思ったのです。
それと同時に、私では本作の魅力を表現しきれないとも思いました。
私の中で何度も噛み砕きながら、どんな言葉で伝えようかと考えましたが、結局は「美しい!」だけしか出てきませんでした。
余韻に浸って、なかなか次の本を手に取れない経験も初めてでした。
脳が痺れるような、まだ物語の中に身を置いていたいような。
そんな読後感を味わいました!
読者の心を洗う、儚くて切ない、美しい一冊
小川洋子さん『猫を抱いて象と泳ぐ』
一度、手に取られてはいかがでしょうか。
最後の最後に。
『猫を抱いて象と泳ぐ』が面白いと思った方は、小川洋子さんの他の作品も紹介しています。
こちらも優しい物語で、おすすめです。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。




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