【本紹介】伊坂幸太郎『ホワイトラビット』レビュー|誰でも読書に没入してしまう籠城ミステリー

本紹介

ウバです。

読書の楽しさを広めたくて記事を書いています。

実際に読んで、面白いと思った本だけを紹介しています。

今回紹介する一冊はこちら!

伊坂幸太郎さん『ホワイトラビット』

「白兎事件」と呼ばれる(呼ばれていないかもしれない)籠城事件。

それに関わるさまざまな登場人物たち。

伊坂節全開でユーモアたっぷりな本作は、読書の面白さを教えてくれる一冊になっています。

それでは早速紹介していきます!

この記事は、とくにこんな人におすすめ
  • 普段、あまり読書をしない人
  • 面白い小説を探している人
  • 伊坂幸太郎さん初心者
  • 地球人(異星人も可)

基本情報

タイトル:ホワイトラビット

著者:伊坂幸太郎

出版社:新潮社/新潮文庫

発行年:2017年/2020年

ジャンル:ミステリー/サスペンス/エンターテインメント

あらすじ

誘拐グループに所属する兎田は、ある日新妻の綿子を誘拐される。

相手の要求は、とある人物を連れてくることだった。

一方。

仙台の住宅街では、母親と息子を人質に取られた立てこもり事件が発生、特殊捜査班(SIT)が出動する事態に。

兎田は、新妻・綿子を救出できるのか。

立てこもり事件の行方は。

誘拐と籠城。ふたつの事件が複雑に絡み合い、物語はさらに加速していく──。

ホワイトラビットのここが面白い

本作にはさまざまな魅力があります。

その中からふたつに絞って紹介していきます。

登場人物たちの掛け合い

これぞ伊坂幸太郎作品!と言えるほど、登場人物たちの掛け合いが面白いことになっています。

そもそも。

登場人物のクセが凄く、どの人物も魅力的に描かれています。

空き巣であり探偵の黒澤に、新妻を誘拐される兎田

特殊捜査班SITの課長・夏之目に、その娘・愛華

新妻の綿子も素晴らしく個性的。

誰もが一癖も二癖もあって、それがユニークに描かれています。

とくに、中村今村の空き巣コンビの会話は、それだけ読んでいたいと思うほどに面白い!

独特な言い回しで展開される、登場人物たちの掛け合い。

私はそれを『伊坂節』とよんでいます。

伊坂節全開で描かれる本作を読んでしまえば、そのまま『伊坂沼』にドップリ浸かること間違いなしです!

ウバ
ウバ

私のイチオシは黒澤でして、じつは黒澤……

巧妙に散りばめられた伏線と、見事な回収劇

小説を読んでいて「見事な伏線回収」に出会うと、そこから更にグッと物語に没入できるものです。

本作は、そんな気持ちのいい伏線回収を体験できます。

誘拐事件と籠城事件。

一見、何のつながりもないようなことが、見事なまでに絡み合っていく様は、読んでいて面白いです。

後半になるにつれて、物語にどんどん没入していくのがわかります。

そして。

そんな読者を裏切らないラスト。

読者の多くが騙されたであろう、物語の真実。

バラバラだったピースがすべて埋まった時の爽快感は、本書でしか味わえない気持ちの良さです。

ウバ
ウバ

後半に向かうにつれての伏線回収劇は爽快で最高です!

さいごに

この記事を書くにあたり、あらためて読み返しました。

初めて読んだのが数年前ということもあり、少し忘れている部分もありましたが、やはり面白かったです。

とくに、後半で物語の全貌が見えた時の衝撃は、とても気持ちがいいものでした。

誘拐や籠城といった、そこそこ物騒な言葉が並ぶ本作ですが、伊坂節でユニークに描かれていて、最後まで面白く読み進めることができました。

本作に出会った時には、すでに『伊坂沼』に肩までドップリ浸かっていた私ですが、本作が伊坂幸太郎作品デビューだったとしても、結局は肩までドップリだったことでしょう。

独特な言い回し。魅力的な登場人物。見事なまでの伏線回収。

『伊坂沼』は、底なし沼のようです。

伊坂幸太郎さんの描く、愉快な誘拐エンターテインメント籠城ミステリー

『ホワイトラビット』

一度、手に取られてはいかがでしょうか。

ホワイトラビット以外にも、伊坂幸太郎さんの作品レビュー記事を書いています。

今後も更新を予定しています。

よろしければ、そちらにもお訪ねいただけたら幸いです。

今日はここまで。

それでは、佐世保の隅っこからウバでした。

皆様の今日が幸せな一日でありますように。

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