街に少しずつ長袖の人が増えてきた九月の終わり、家族で島瀬美術館へ出掛けた。
佐世保市小・中学校夏休み作品展という催し物を見に行ったのだ。
子どもたちが夏休み中に作った作品や絵画が展示されていて、そこに息子の絵が飾られると情報を得たのだ。
我が子の絵が市の美術館に飾られる。親としてはそれだけでテンション爆アゲである。
朝早くから準備をして、開館と同時に入館。目的の階まで足を進める。
で、飾ってなかったから笑える。
息子の書いたイカの絵は、佐世保の海へと帰ったのだろう。
我が子の絵が展示されているという情報は何だったのだろうか……。
情報の真偽を見極める能力が求められる現代社会。そこを生き抜く力は、私にはないようだ。
それでもせっかく来たのだからと、他の子たちの作品を見て回った。
これがまあ、なんとも面白い。
創意工夫のとんがり方は、子どもならではなのだろう。すべての作品から個性を感じる。
もちろん、親御さんの手が加わっていることは間違いないだろう作品も多かった。
それはそれでいいのだ。自分で考えて、それをカタチにしようとする行動力が大切なのだろう。
そんな偉そうなことを考えながら見て回った。
それにしても我が子のイカは……。
別の階で開催されていた、佐賀県立有田工業高等学校デザイン科展も見て回った。
壁に絵画や写真が飾られていて、遠くからでも素晴らしさが分かる!と言いながら近づいたらぜんぶ絵だったから笑えた。
私の芸術を見る目がないのか、生徒さんたちのレベルが高いのか。たぶん両者だろう。
絵画の展示だけではなく、缶バッジを作るワークショップもあっており、さっそく作ることにした。
生徒さんたちに照れて私にしがみ付いていた娘も、途中からは率先して作り出したから笑える。
息子と娘、それぞれの缶バッジができた。

どちらも可愛くて上出来だ。
生徒さんたちに礼を言ったあと、帰ることにした。
退館しようとしたところ、エントランスで美術館の職員に止められる。
どうやら今からここで『第58回佐世保美術展ART WAVE FROM THE WEST オーディエンス賞発表会』があるらしい。
※こんな長いタイトルを覚えているはずがなく、この日記を書くために調べ直したことは内緒だ。
そもそもそのような美術展があっていたことすら知らなかったが、受賞作品は見事なものだった。
まあ、どう見事だったかを語れるほど美術センスがないことが悔やまれる……。
最近、美術館に行くことが増えた。
美術館とは、芸術を知った風の人が顎を触りながら「フムフム」言っている場所というイメージがあった。
なんとも失礼なイメージだが、とにかく私とは無縁の場所と思っていた。
思い込みは自分の世界を狭める。
そう気づかされた。
いつも誰かと美術館に行っているということもあるのだろうが、美術館に行くと笑顔になれる私がいる。
私が趣味としている読書とウォーキング。ほんの少し前までは、どちらにも苦手意識があった。
ウォーキングは疲れるだけなのに何故歩くのか疑問だったし、読書に関してはそもそも活字が苦手だった。
しかし始めてみると楽しさに気づく。
歩くのはたしかに疲れるが、達成感やら解放感を感じられる。完歩後の快感は言葉にならないものがある。
読書もそうだ。素敵な物語に出会えれば、活字が苦手だと思い込んでいただけということに気づく。
美術館の帰り道、そんな『自分で狭めた世界』を広げてほしくてこのブログを始めたのだと思い出した。
だからこそこんな記事を書きましたので、出来れば読んでみて欲しい。
と。自分の記事を自分の記事で紹介して終わろうと思います。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。
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