【本紹介】伊坂幸太郎『ラッシュライフ』レビュー|読書ってこんなに面白いっ!

本紹介

ウバといいます。

読書の面白さを伝えたくて、ブログを書いています。

「読書って面白いの?」と半信半疑の人にこそ読んでほしい記事です。

実際に読んで、面白いと思った本だけを紹介しています。

今回紹介する本はこちら!

伊坂幸太郎さん『ラッシュライフ』

一見バラバラに見える出来事が、ストーリーが進むにつれ見事に絡み合っていく。

物語の素晴らしさはもちろんのこと、「読書をすることの面白さ」に出会える一冊です。

それでは、紹介していきます。

この記事は、とくにこんな人におすすめ
  • 読書を始めたい人
  • 普段あまり読書をしない人
  • 面白い小説を探している人
  • 読書の魅力がわからない人
  • 地球人(異星人も可)

基本情報

タイトル:ラッシュライフ

著者:伊坂幸太郎

出版社:新潮ミステリー倶楽部/新潮文庫

発行年:2002年/2005年

ジャンル:ミステリー・サスペンス

あらすじ

金にものを言わせる画商の戸田と、付き人の志奈子。

泥棒を生業にしている黒澤に、職を失い家族にも見捨てられた豊田。

新興宗教の教祖と信者に、不倫カップル。

さらには歩くバラバラ死体まで登場。

いくつもの出来事が複雑に絡み合い、物語は意外な展開を迎えてゆく。

未来を決めるのは神の恩寵か、偶然の連鎖か。

読者の予想を裏切る、巧妙なストーリーが今、幕を開ける──。

なぜ『ラッシュライフ』を推すのか

まずはじめに。

なぜ『ラッシュライフ』を推すのか。『ラッシュライフ』一番の魅力は、なんなのか。

もちろん読者によって様々だとは思うのですが、私が挙げる一番の理由は「伏線回収の気持ちよさ」です。

物語は、本当に完璧、満点です。

そんな物語の秀逸さに背中を押されて、「読み進めることが面白い!ワクワクする!」と感じることができる一冊なんです。

それほどに伏線回収が気持ちいいっ!

バラバラだった出来事が徐々に繋がっていき、さらには作品に隠された仕掛けに気づいた時、絶対に読書を好きになると自信があります。

ウバ
ウバ

読書をすることの面白さを経験して欲しいです!

もちろん。物語の秀逸さや伏線回収だけが、本作の魅力ではありません。

ここからは、その他の魅力についても書いていきます。

独特な言い回しと名言

『ラッシュライフ』に限らず、伊坂幸太郎さんの作品には、独特な言い回しや名言が多く登場します。

私は、それを勝手に『伊坂節』とよんでいます。

この『伊坂節』がたまらない。

たとえば、本作に登場する黒澤という泥棒。

彼のセリフが刺さりましたので、ネタバレ厳禁でひとつ紹介。

「──人間なんてなおさらだよ。何十年も同じ生活を繰り返し、同じ仕事を続けているんだ。原子生物でも嫌になってしまう、その延々と続く退屈を、人はどうやって納得しているか、知っているか?

『人生ってのはそういうものだ』とな、みんなそう自分に言い聞かせているんだよ。それで奇妙にも納得しているんだ。

変なものだ。人生の何が分かって、そんなことを断定できるのか俺には不可解だよ」

かっこいいですね。

しかもこれ、かっこいいだけではなくて、前後のやりとりのお陰でクスッとしてしまうシーンでもあります。

本作は、シリアスとユニークの混ざり方が凄いのです。

どう考えてもシリアスなシチュエーションに、心くすぐるユニークなセリフが飛び出たりして、読者の心をかき乱してきます。

それが読んでいる内にクセになっていって、気づけばどっぷりと作品に没入してしまっています。

『伊坂節』にハマれば、『伊坂沼』にハマってしまい、『伊坂沼』にハマる過程で、気づけば『読書沼』にもハマっている。

読書好きが、またひとり誕生すること間違いなしです。

本書の魅力は、やがて作品を飛び出す

本作にはさまざまなキャラクターが登場します。

その誰もが一癖も二癖もあって、魅力的に描かれています。

そんなキャラクターたち、じつは他の作品にも登場するのです。

たとえば泥棒の黒澤は、同作者の『重力ピエロ』『フィッシュストーリー』にも登場します。

逆も然り。

他の作品に登場するキャラクターが、本作に登場していたりします。

私が『ラッシュライフ』をおすすめする理由のひとつが、まさにこれです。

つまりは、「次に読む作品を探すきっかけになる」ということです。

本作を読めば読書の面白さに気づけると自信を持って言えます。

しかし。

読み終わった後に、次の本をどう探せばいいかわからなかったら、せっかく好きになれた読書を続けるきっかけを見失ってしまいます。

他の作者も知らない、読みたいジャンルもわからない。どの本を選べばいいかわからない……。

そんな時に、伊坂幸太郎さんの本を選ぶという選択肢を持つことができます。

他の作品を読んでいて、意外なキャラクターと再会することが多々あります。

その時の快感たるや、他の作者の作品では味わえない気持ちのよさです。

読書の面白みは、物語の良し悪しだけではないと私は思っています。

本作は百点満点の作品です。

しかし、それだけに留まらず、作品の枠を飛び越えて、読者に「読書って面白いでしょ?」と問いかけてくる作品になっています。

ウバ
ウバ

他作品で推しキャラに再会した時は嬉しいものです。

さいごに

この記事を書くにあたり、あらためて本作を読み返してきました。

読み終えて一番に感じたことは、「あれ……この本ってこんなに長編だったっけ?」でした。

「いやいや、これだけ熱もって推したくせに感想それだけかいっ!」とツッコミたい気持ちはわかります。

しかし本作、文庫版で456ページもあるのです。これはなかなかのボリューム。

普段あまり読書をしない方や、今から読書を始めるという方におすすめするには、正直なところ少し長編過ぎる気がします。

読み終えるには、それなりの時間と労力を要することは想像に難くありません。

それでも推したいと思ったのは、やはり読後感が素晴らしかったからです。

続きが気になって、どんどんと読み進めることができたからです。

伏線回収の気持ちよさ、物語のすべてが繋がった時の快感。

これ以上ないと思えるラスト。

そのどれをとっても他人におすすめできる作品だと思ったからこそ、この記事を書きました。

読書にあまり明るくない人でも、かならず読書が好きになる一冊。

伊坂幸太郎さん『ラッシュライフ』

ぜひ一度、手に取られてはいかがでしょうか。

ちなみに。

記事内で少し登場した『重力ピエロ』に関する記事も書いていますので、お訪ねいただけたら幸いです。

今日はここまで。

それでは、佐世保の隅っこからウバでした。

皆様の今日が幸せな一日でありますように。

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