夜勤明けの運転ほどキツイものはない。
眠たいし。
しかも今回の夜勤は、コーヒーを持って行くのを忘れたせいで、いつもの数倍眠い。
刺激強めの目薬を差し、最後の力を振り絞ってハンドルを握る。
まあ、少し大袈裟に書いていますが、そこはご愛敬。
会社を出て数分。押しボタン式の信号が赤になったために停車。
ボタンを押したのは、お母さんと手を繋いだ小学生の女の子。
ふたりで手を挙げて横断歩道を渡る姿に、少しキュンとする。
そして、渡り切った女の子はくるりと振り返り、私に向かってお辞儀をした。
……ああ。
いいよなあ、お辞儀。
夜勤の疲れがぜんぶ吹き飛ぶっ!
とまではいかないが、体力が回復するのがわかる。
本来は必要ないんですよね、あのお辞儀。
こっちは信号で停まってるわけだし、そもそも横断歩道で停まるのはルールだし。
それでもお辞儀されると嬉しいんですよね。
信号が青に変わって運転を再開した時、ふと父の言葉を思い出しました。
「親は子を育てて当たり前。感謝なんか求めんが、子は育ててもらって当たり前と思ったら駄目ぞ」
これがいつ言われたのかは忘れてしまったし、そもそも父の言葉ですらないかもしれないけれど、ふと思い出した。
まったくその通りなんですよね。
これは子育てに限らず、与えられて当たり前のことなんてないんですよね。
信号が青の横断歩道を渡るのは当たり前。でも、そのために停まった車にお礼をする。
コンビニで買い物をしたあと、レジの人に礼を言う。
ファミレスで食事を運んでくれた人に礼を言う。
他にも色々あるだろうけれど、こんな簡単なことでお互い気持ちよくなれるのだ。
当たり前を当たり前に受け取ることに、慣れてしまってないかい?
そんな風に自問自答しながら帰ったのだった。
うんと昔にお空のお星さまになった父に想いを馳せたのは、きっと今読んでいる本のせいだと思う。
伊坂幸太郎さんの『AX』
いちど読んでいる本なんですけど、本紹介の記事を書きたいと思って読み返していました。
詳しい紹介はいずれ本紹介の方でしっかりするとして、とても面白い本です。
主人公は愛妻家で恐妻家の殺し屋。それでいて息子想いの父でもある兜。
こんな父親になりたいなあと思うキャラです。
そんな本を読んでいるせいで、父を思ったのだろう。
まったく。
夜勤で疲れている身体に、意外な角度から入り込んできた父の存在に、少しだけセンチメンタル。
そんな状態で書いた日記でした。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。
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