息子とふたり『男旅』に行ってきました。
旅とは言ったものの、地元を走るローカル鉄道『松浦鉄道』に乗るというだけのお出掛け。
普段生活している街も、電車の車窓からというだけで違う顔をみせてくれました。
鉄道好きとかではないので、結局は途中で飽きてしまいましたが、男ふたりで出掛けるのは楽しいものです。
男旅の中で一番記憶に残ったのは、昼食に入った定食屋でのこと。
本当に様々なお客さんがいました。
まずはツケで頼む高齢男性。
恐らくは常連さんなのでしょうが、店員のお姉さんも苦笑いでした。
「家を出る時から財布がないとわかっていたけれど、来た」と笑顔で言う男性。
シンプルに犯罪である。
次に、ピシッとしたスーツ姿でニッコニコの女性。
「すみません!から揚げ定食、ご飯大盛りでお願いします!」と元気だ。
おかわりが自由だと店員さんが言うと、更に笑顔になったのが印象的でした。
ご飯を前に笑顔になれる女性は、それだけで魅力的に見えるものです。
いったい、最後は何杯ほど食べたのか気になるところです。
次は、かけそばを急いで食べる青年。
店員のお姉さんが「若いのに蕎麦だけで足りるの?」と尋ねると「自分、蕎麦好きなので!」と元気に答える。
「いや、もっといっぱい食べっ!」とおにぎりをサービスでもらっていました。
笑顔で受け取る青年も然ることながら、さっきから店員のお姉さんが素敵すぎる!
他にもジャンパーを着て「暑い暑い」と言いながらかけうどんを食べる高齢女性や、昼間から数本瓶ビールを開けている人。
小さい定食屋の中には個性が溢れていて、その雰囲気の中での食事は美味しくて楽しかったです。
自分には個性がない。
定食屋を出て、急いで乗り込んだ電車の中で、そういえば過去にそう考えたことがあったなあと思いました。
私は平凡で、周りの皆は個性的で、そのことが羨ましく思う。
個性がないということが、自分には魅力がないと思い込むことに繋がって、自己否定。
個性を求めて耳にはピアスの穴が増えて行って、似合わないのに髪を染めてみたりして。
そんな頃があったなあと、車窓からの景色を見ながら思い出していました。
今ではそんなこと考えないんですけどね。
個性的じゃない人なんていないんですよ。皆、もれなく個性的なんですよ。
今まで出会った人に個性がない人がいないという紛うことなき事実が、その証明ですね。
私もきっと、個性的。
そんな、なんでもないことに気づいた旅になりました。
個性的といえば。
今読んでいる、二宮敦人さん著『最後の秘境 東京藝大─天才たちのカオスな日常─』
もう少しで読み終わるのですが、登場人物のすべてが個性的すぎて震えます。
藝大時代のKing Gnu 井口理さんも登場しちゃったりします。
聴く人の心臓を直接刺激するような、透き通っていながら力強い歌声は、藝大で磨かれたのかもしれませんね。
もちろん、天性の才でもあるのでしょうけれど。
他にも、楽器を荒川に沈めようと思っている人や、ブラジャー・ウーマンなんかも登場。
いやいや、藝大……カオス。
ああ、結局は本の紹介しちゃってる。ただの日記なのに。
読書が好きだってことも、きっと私の個性なんでしょうね。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。
コメント