先日、地元のお祭りに参加してきました。
規模は小さいお祭りでしたが、花火も上がって楽しめました。
大きな音を鳴らす花火が怖かったようで、4歳の娘は妻に抱き着いて離れなかったそうです。
私は消防団員として参加していたため、その姿を見られなくて残念!
後日、娘がその時の話をしてくれたのですが、
「花火の声が大きすぎてこわかったんだよ!」と怒っていました。
花火が咲くときの音を「声」と表現したのが、なんかいいなと心に残りました。表現ひとつで、ただの花火に命が宿ったような。
そんなふうに感じて心地よかったです。彼女にとってあの音は、花火の産声なんでしょうね。
表現方法の違いだけで、受け手の感じ方も変わってきますね。私も娘のように、柔らかくて優しい表現力を身につけたいと思いました。
表現力といえば……小説!
持って行きかたが少し無理矢理な気もしますが、ここからは読書の話です。
松下龍之介さんの『一次元の挿し木』を読み終わりました。
いやあ、面白かった!
このミス大賞は伊達じゃないですね。
現在や過去、様々な登場人物の視点で物語が進んでいくんですけど、迷子になることなくスラスラ読める作品でした。
ものすごく簡単にあらすじを書きますと、主人公の悠(はるか)の元に、二百年前の人骨のDNA鑑定依頼が届きます。
鑑定の結果、その人骨は四年前に失踪した妹、紫陽(しはる)のDNAと一致する。
どないなってんねん!ということで、悠は真相究明に乗り出すのであった……
という、お話です。
いやあ、我ながら完璧なあらすじ。このあらすじを見て、はたして読みたくなる人はいるのか⁉
いないでしょうねえ……
いや、気になるよ?という方は、ぜひ読んでみてください。
骨太で、王道なミステリー小説が楽しめますよ。
この作品の中で、こんな一文があります。
しかし息はできない。赤く染まっていく視界の先には、獲物を嬲る獣の笑みがあった。
物語の中で特に重要なシーンというわけではないのですが、私はこの表現が好きです。
この一文だけで、猟奇的な人間の手によって、その登場人物に命の危機が迫っていることがわかります。
このように素晴らしい表現の数々が、読者をどんどん物語に引き込んでいく作品です。
ストーリーはもちろん最高ですっ!
……
あれ?
日記を書いているつもりが、小説紹介してしまった!
『一次元の挿し木』恐るべし……。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。
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