【日々】認識した途端に、大きくなる存在感

中の人の日記

ウバといいます。

先日、職場(介護施設)に着いて数分後に足首を蚊に刺されました。

最悪です。とにかく痒い。

ぷっくりと腫れた足首を赤くなるまで搔きながら始業。

蚊に刺されている時はなんともないのに、刺されたという事実を認識した途端に痒くなりますよね。

しかも痒み止めなんてないのだから、爪で×印をつけたりしながら耐えました。

職場に着いて数分後にもうひとつ。

職場のお姉様方の、これまた職場の職員に対しての愚痴といいますか、悪口といいますか、それらが聞こえてきた。

夜勤で静かな施設内に、お姉様方の大きな声が響く。もちろん私の耳にも届く。

なるべく聞こえないように、私は読みかけの小説を開いたんですが、ダメですね。

蚊に刺された足首と同じ。認識した途端に大きくなる存在感。

愚痴を拾った耳は、私を読書に集中させてくれません。

そっと小説を閉じて、ついでに眼なんか閉じたりして。

仕事せろってはなしですが……。

読んでいたのは、朝井リョウさんの『正欲』

ほんとうに素晴らしい作品でした。

お姉様方の愚痴大会が終わり次第読み始めて、気づけば読了してしまっていました。

あらためて、仕事せろってはなしですが……。

多様性と誰もが口にする時代に、こんな小説アリかよ!

と思いながらも、そんな時代だからこその作品だなと感じました。

きっと私は、近いうちに朝井リョウさんの他の作品を買うことになると思います。

エッセイも書かれているようで、それがまた面白いらしい。

ああ、また積ん読が増えていく。

幸せなことだ。

そんでもって。

そんな素晴らしい本を読み終わって、少し腑に落ちたことがありまして。

お姉様方は、他人を否定するのが快感なんですよね、きっと。

もはや性癖なんです。とにかく気持ちいいの。

その快楽のために、日々血眼になって他人の粗を探すわけだ。

スマートフォンで好みのアダルト動画を探すように、快楽のために必死なのだろうなあと思うわけです。

自分の狭い想像力の中で、自分の思う正しさからはみ出した異物を否定する。

それが気持ちいいのだろう。

自分の周りに清廉潔白な人間しかいないとしたら、その清廉潔白さをなじるのだろう。

そう考えると、誰も彼女らを否定できないなあ、とも思ったりしますね。

誰だって自分だけの性癖があって、そんな自分を満たすために日々生きているのだから。

と、書いていて。

気づきました?

私も他人を否定していますね。

必死に。

私の中の、私の正しいからはみ出したお姉様方を、否定していますね。

そんな自分を認識した途端、大きくなる存在感。

私も他人を否定するのが好きな人間らしいですね。

蚊に刺されてぷっくりと腫れた場所みたいな、自分の中の腫れ物に、そっと爪で×印をつけました。

って、ただの愚痴なんかーいっ!とかは、言わないお約束。

今日はここまで。

それでは、佐世保の隅っこからウバでした。

皆様の今日が幸せな一日でありますように。

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