人は人生を何かに例えがちである。
山。道。海。川。電車。野球。何でもありだ。
そこまでして例えないと語れないほど、人生はややこしいのだろうか。
まあ、そんなら人生語んなよ……とは思うのだけれど。
先日、とあるウォーキング大会に参加してきた。
二日間に分けて、最長で四十八㎞を歩く大会だ。
私は最長距離に挑戦し、なかなかのタイムでゴールできて満足している。
ゴール後は疲労と筋肉痛で大変だったが、それでもまた参加したいと思える大会だった。
……それはさておき。
大会中、歩きながらふと、人生は『ウォーキング大会』に例えられるのではないか?と思った。
私も何かに例えて人生を語りたい節があるみたいだとも思ったが、気にせず例えていく。
まず、スタートとゴールがある。そして制限時間がある。コースも決まっている。
これだけでも、すでに大会は人生そのものと言っていいのではなかろうか。
人は生まれて死ぬ。時間は有限で、このルートから外れることはできない。
もちろん大会にはルールもある。走ってはいけないだとか、他人の歩行を邪魔してはいけないだとか。
人生もそうだろう。法治国家に生きるのであれば尚更。ルールを守って生きる必要がある。
しかし。
歩き方や歩行速度、履く靴や服装は自由だ(全裸はNG)。速く歩こうがのんびり歩こうが、その人の自由だろう。
その人の人生は、その人の自由に生きていいはずだ。寄り道したっていい。
他の人に抜かれることもあれば、抜くことだってあるだろう。
しかしそれはそれ。結局ウォーキングというのは自分との戦いなのだ。
生きてりゃ誰かと競うことだってある。それが自分を育てることだってあろうが、結局は自分のままでいることが大事なのだ。
そして、大会にはリタイアがある。その決断をすることは、とても勇気がいることだ。
参加者にリタイアした人を笑う人間はいない。
その、決して容易ではない決断を、参加者たちは最大限尊重する。
そして。
それぞれが、それぞれの歩き方で、それぞれの速度で、好きな服装(全裸はNG)でゴールする。
まあ、ウォーキング大会と人生。一つ違うのは、ゴール後も日々が続くという点だろうか。
『人生はウォーキング大会である』
意外といい例えではなかろうか。おいおいおいおい……こりゃあ、なかなか真理だぞ。
とか。
本当にどうでもいいことを考えながら歩いたせいで、せっかくの景色を楽しむことをせずに完歩してしまった。
ウォーキング大会が人生なら、その景色を楽しむことこそ重要だろうに……。
やはり私は、人生を語ることも、上手く例えることもできないのであった。
今日はここまで。
それでは、佐世保の隅っこからウバでした。
皆様の今日が幸せな一日でありますように。



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